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2014.08.09(Sat)

Dando Shaft / Dando Shaft [1971]

「"廃"なジャケから醸し出す英国感」

Dando Shaft

英国フォークバンドのダンドゥ・シャフトは、70年にイギリス中部の都市コヴェントリーからデビューしたグループです。当初は男5人編成。フェアポートを追っかけるように69年活動を開始し、全4枚のアルバムを出している。70年にデビュー作をリリースした後は女性シンガーのポリー・ボルトンが加わり、71年にセルフタイトルでリリースされたのが傑作といわれる本作2ndアルバムです。

素晴らしいジャケットはキーフが担当しています。朽ちかけたメリーゴーランドという、廃墟マニアにはたまらそうなジャケットですが、英国的な奥ゆかしさに満ちている。しかし中身を聴いてみると、陰りの少ない民族調フォークといいますか、とても聴きやすくて親しみやすい内容です。

そのエスニック度の強いサウンドにのっかるのが、本作から加入したポリー・ボルトンの透き通った歌声。恐らくブルガリアン・ヴォイスの影響を受けたであろう、地声中心にとても張りのある歌い方をします。

中東インドの要素が濃いエスニックなサウンドアレンジは、マンドリン、チェロ、コンガ、タブラなど、バラエティ豊かな楽器によって奏でられ完成度は一際高い。しかし、同じ民族要素を持つペンタングルほど緊張感を強いられるわけではなく、至ってリラックスして聴くことができます。


「Coming Home To Me (1971)」

キラーチューンの「Coming Home To Me」がおすすめの一曲ですが、他にもポリー・ボルトンがメインVoをとる「River Boat」は素晴らしいの一言。ときおり奏でられるフルートの響きとともに、後半スキャットするのがまた良いです。通向けのアルバムですが、サンディ在籍時のフェアポートや、三美神の一角チューダー・ロッジなど、男女混声ハーモニーが光るグループを好む方におすすめの作品です。

傑作![★★★★★]

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